エマ・ワトソンのスピーチ

新しい時代のフェミニズムを提唱するスピーチ

「HeForShe」という言葉を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
これは2014年~2016年まで国連ウィメン親善大使を務めていたエマ・ワトソンのスピーチの中で出てきた言葉です。

スピーチが行われたのは2014年のことで、国連が新しいプログラムとしてスタートされることとなった「HeForShe」への参加を呼びかけるために行われました。

2014年から国連ウィメン親善大使に任命されたエマ・ワトソンにとって、同年9月20日にニューヨークの国連本部で行われたスピーチは初の大舞台であったのですが、若干24歳という年齢ながら世界中に強烈な印象を残しました。

スピーチの終了直後にはスタンディングオベーションと鳴り止まない拍手で讃えられ、現在においても新しいフェミニズムやジェンダー差別の解消のための重要な指標として、多くの場で引用をされています。

日本においては残念なことにほとんどニュースで取り上げられることはなかったのですが、スピーチ内に登場してきたフレーズには名文が非常に多く、時間に余裕がある人は性別や年齢を問わず一度全文を(できれば動画で)見てみることをおすすめします。

ごくごく簡単に要約をすると、主題となっているの項目は3点で「女性の権利を叫ぶことが男性を不愉快にさせるものではいけない」「性差別の撤回は男性の課題でもある」「このことはずっと自分で考えてきたことで、いつかは声を上げなければいけないと思っていた」ということです。

「HeForShe」と今後あるべき男女の姿とは

もう少し詳しくスピーチの内容を説明すると、まず最も印象的なのが「男性を敵視するフェミニズム」への疑問です。

エマ・ワトソンは8歳の時から性差別の存在を意識してきたといい、8歳の時に劇の演出をしたいと言った時に「親分みたい」と女性だから遠慮をするように言われた例を挙げています。

その後も思春期を迎え青年期へと成長するにつれ、性的な目で見られたり自分や周囲の人が女性だからということで何かを諦める様子を見てきたことで、フェミニストとして生きることを決意したと言います。

しかしその一方でフェミニズムを訴えると必ず男性から不愉快な目を向けられるということを疑問に思うようになり、同時に女性同様に男性もジェンダーによって生き方に制約を加えられていると理解したのだということです。

そして最後に英国の政治家エドマンド・バークの言葉を引用し「邪悪な勢力の勝利は、周囲に行動しない善良な人がいればよい」と述べ、疑問に思っていることを心にしまっておくだけでは世の中は良くならないというふうに言います。