ケン・バーンズのスピーチ

リンカーンから学ぶ世の中の善悪とは

ケン・バーンズは、アメリカ人映画監督・製作者です。
作品の多くは記録映画や写真を使ったドキュメンタリー映画となっており、日本ではそれほどメジャーな作品はありませんが「南北戦争」や「野球」「ジャズ」といったような、アメリカ文化に切り込んだ作品を多く残しています。

アカデミー賞には2回入選歴があり、エミー賞も1回受賞している実力派です。

そんなケン・バーンズの代表的なスピーチとして、2016年にスタンフォード大学の卒業式で行ったものがあります。

スタンフォード大学はカリフォルニア州にある私立大学であり、米国内の大学ランキングでは最高レベルの有名校として挙げられる存在です。

あらゆる分野において優れた教育をする世界的な有名校ですが、中でも「シリコンバレー発祥の地」として有名となっており、ベンチャービジネスの最先端を担う人材を毎年数多く輩出しています。

そんな将来のビジネスシーンのトップを目指す若い人材を前にケン・バーンズが行ったスピーチは「歴史を学ぶことの大切さ」でした。

自身がそれまで200を超えるドキュメンタリー映画を撮ってきたという経験をもとに、歴史を正確に認識し理解していくという地道な作業をしていくことが、インスピレーションを生み出すということを説いています。

中でも主要なテーマとして取り出したのがアメリカ第16代大統領であるアブラハム・リンカーンです。
リンカーンの生涯についてはケン・バーンズが長年に渡り研究をしてきたことであり、奴隷制度をどのように解決に向かわせたかということを調べていました。

分断の時代だからこそ大きなビジョンが必要

ケン・バーンズのスピーチでは、リンカーンは大統領となる以前からアメリカ国内にある奴隷制度を大きな問題だと思っており、就任をしたタイミングはまさにその混乱が最も大きくなっていた時期であったことを紹介します。

アメリカという「家」は大きく分断をされており、その内輪もめ状態をどう収めていくかということを考える時、小さな歴史ではなく大きなビジョンを持つべきでした。

リンカーンは奴隷解放宣言をしたのちに、大陸横断鉄道や国立公園、児童労働や社会保障などといった数々の改革を打ち出しています。

これらは当時は完全に受け入れられたというわけではなく、多くの反対運動の中で行われ批判の的になってきました。

そこでケン・バーンズは現在はSNS時代であるということを挙げ、今アメリカは大きな分断が起こっており、経験値のない政治家がなすべき目的も知らずに自分自身の利益のために政治をしていると批判をします。

そうした憎悪による対立から、新しい世代はリンカーンのような「解放」を目指すべきであり、それこそが国を救うことになるとまとめています。