滝川クリステルのスピーチ

ネットで盛大にネタにされた五輪招致プレゼンのスピーチ

2020年のオリンピック・パラリンピック開催地を決めるため2013年9月にIOC総会では最終候補に残った各国のプレゼンテーションが行われました。

開催地として立候補をしていたのは6都市で、2011年に申請が締め切られてから過去に例を見ないほど壮絶な選考レースが行われたということは記憶に新しいところです。

2012年の1次選考において残ったのはトルコのイスタンブールと東京、スペインのマドリードの3都市でした。

そこで最初に紹介をした2013年のIOC総会となるわけですが、その時に日本を代表してプレゼンテーションでスピーチを行ったのが滝川クリステルさんでした。

なぜ滝川クリステルさんが抜擢をされたかというと、まず日本人とフランス人のハーフであり非常にフランス語が堪能であったということがあります。

スピーチでは全編を流暢なフランス語で行いつつも「お・も・て・な・し」という日本語独自の単語を効果的に入れ込むことにより強烈なインパクトを残しました。

フランス語はIOCの第一公用語であったための配慮であり、そこで日本という都市の魅力を前向きに語ったというところが審査委員に非常によい印象を残しました。

好感度を高める「見せるプレゼン」の技術

やや辛辣な物言いになりますが、このときの滝川クリステルさんのスピーチの内容は、それ自体取り立てて素晴らしい内容を語っているというわけではありません。

もっとも開催地の選考はすでに2年以上をかけて行われているので、今更斬新な提案や議論などをする必要はなかったということもあります。

このプレゼンで最も重視されたのは「見せるプレゼン」という技術です。
スピーチ中に一度も手元のメモを見ないですむのは「プロンプター」と呼ばれるプロジェクター型のカンニングペーパーを用いていたことによりますが、常に前だけを向いていた姿勢は聴衆にとてもよい印象を与えます。

スピーチ中最大の山場となったのは開始10秒で行われた「お・も・て・な・し」と合掌して頭を下げる仕草です。

スピーチ動画を見返してみるとこのときの手の仕草は日本人の感覚的にもやや違和感を感じるものです。
おそらく手つきや動作については相当計算をして行ったのだろうと思われます。

やや不自然に感じる手つきとともに意図的にスピードを落として区切るように言った「おもてなし」は、開始早々に行ったこともあり一気に聴衆の関心を引きました。

短いスピーチではあるのですが、繰り返し見てみると非常に細部にまで技術や戦略が盛り込まれているということが伺えます。

表舞台には出てきていませんが、この演出をコーディネートした人物は相当にスピーチについて知りつくす人物だったのでしょう。