ティム・クックのスピーチ

アップルの現CEOを務めるティム・クックは、ジョージ・ワシントン大学の卒業式において、彼はアップル上層部への道のりについて語りました。
式辞といえば、うんざりするような楽観主義だったり、謙虚に話しをしているように見えて、自慢話を語っているだけだと思えるケースがあります。
しかし、彼の場合は違います。

南部で育つ

彼は、アラバマ州にあるロバーツデールという小さな町にずっと住んでいたといいます。
高校2年生には、米国農業電力協同組合(NRECA)主催の作文コンテストで入賞しました。
その時、何を書いたのかについては既に忘れたことですが、何度も何度も推敲を重ねたことは覚えていると言います。

ワシントンに旅立前、アラバマの代表となった彼は、モンゴメリーへ行き、そこで州知事と会うことになります。
しかし、その州知事は悪しき人種隔離を容認してきたジョージ・ウォレスだったのです。

彼にとって、 白人と黒人、南と北を隔てて考えるジョージ・ウォレスは決してヒーローではありません。
彼にとってヒーローとは、アメリカの差別問題の歴史において重要な役割を果たしたキング牧師やロバート・ケネディの方だったのです。
人種隔離と戦ってきた人たちの方です。

私達を教える教科書には、南北戦争は州の権利のために行われたと書かれ、奴隷制度について触れることがありません。
だから、自分自身で何が正しくて真実なのかを見極める必要があると彼は感じていたのです。

平等こそが正しいと彼は考えていました。
ウォレスと対面したとき、自分自身の信念を裏切るような気持ちがしていたと言います。

スティーブ・ジョブズの出会い

彼はスティーブ・ジョブズに出会ったとき、自分が今まで築いてきた思い込みや前提をすべて壊してくれる存在だと感じたと話しています。
スティーブがアップルに対して掲げた構想とは、最先端のテクノロジーを使いやすいツールへと導入し、それを通じて利用者の夢の実現、ひいては世界をより素晴らしいものへと変化させることでした。

ティム・クックは、問題に対して現実的なアプローチをする訓練を積んできた人物です。
一流のエンジニアとしての勉強はもちろん、経営についての造詣も深く、MBAも取得しています。
そのような彼が、世界を変えようとしているスティーブ・ジョブズと出会うことになります。

しかし、どんな仕事を選んだとしても前進することは可能なのです。
どんな時だって、批判をする人たちもいるでしょうし、傍観している人たちがいます。

私達の社会に満ち満ちているのは、悪人たちによる悪意や敵意のこもった言葉だけではありません。
善人による沈黙、傍観も、時に悪であるということは、 キング牧師が書いたバーミンガム刑務所からの手紙の内容です。
ティム・クックのスピーチはお約束のアメリカンジョークもありで、 1977年の夏、南部での生い立ちから語られていきます。
引用やジョークなどを交えたウィットに富んだスピーチなら、ティム・クックのスピーチは良いお手本になるはずです。